数万年(すうまんねん)も前、わたしたちの祖先(そせん)は、どうくつの壁(かべ)や天井(てんじょう)に馬(うま)や野牛(やぎゅう)や鹿(しか)などの動物(どうぶつ)をたくさん描(か)きました。そこには多(おお)くの動物たちがとれますように、そして豊か(ゆたか)な生活(せいかつ)が送れますように、といった当時(とうじ)の人々(ひとびと)の願い(ねがい)がこめられていました。絵(え)にはみんなの願いを叶(かな)えたり、元気(げんき)にしてくれる不思議(ふしぎ)な力(ちから)があるんですね。そして私たちは絵を見ることで気持ちが落ち着(おちつ)いたり、逆(ぎゃく)に高ぶったり、いろいろなことを考(かんが)えさせられたりもしますよね。でもそれが絵の持つ(もつ)魅力(みりょく)だと思います。今回(こんかい)、みんなのいろいろな思いが込(こ)められた素敵(すてき)な作品(さくひん)に出会(であ)えることを楽しみにしています。

井上 洋一(いのうえ よういち)
奈良国立博物館長(ならこくりつはくぶつかんちょう)

絵は、ことばでもあらわせないような心のうちがわが、しぜんに出てしまうものです。そしてそれは、かならずほかのだれかにもつたわるものです。つまり絵をかくということは、君にはわかってくれる友だちが世の中にいっぱいいるということをおしえてくれます。その新しい友だちは、だいがくの先生だったり、びじゅつかんのかんちょうだったり、がいこくのひとたちだったりします。これが絵をかくすばらしさです。絵をかいて、新しい友だちとであいましょう。きみたちのさくひんをまっています。

千住 博(せんじゅ ひろし)
画家/日本藝術院会員(がか/にほんげいじゅついんかいいん)